昭和に観る津軽の家 - 茅葺屋根編
風雪に堪える家
津軽地方や下北半島へ写真撮影に通ったのは十代最後の年からで、あれ
から半世紀が経とうとしている。今では元号も平成を経て、昭和から令
和に変わってしまった。当時は風土と人間の関係に興味があり、風景よ
りは、むしろ生身の人間を撮ろうとしていた記憶がある。ところが、今
になってネガを一枚一枚見直してみると、思ったより風景や家屋を撮影
していたことが分る。
津軽シリーズの最後に、「津軽地方の家」を取り上げて紹介したいと思
う。すでに紹介済みの写真も多数あるが、その点はご了承願うとしよ
う。茅葺屋根の家をほとんど見なくなってしまった今、なにかの参考に
なれば嬉しい。参考までに1950年代、茅葺屋根の下で見られた農家の生
活の一端を「昭和の記憶」として紹介しているので、そちらも併せて見
ていただければと思う。
撮影年:1970年代


隠居の中で茶を接待されたことがあるが、室内は都会とさほど違いはない。
屋根に煙り出しはあるが、囲炉裏は見当たらなかった。

家の西側にはケヤキの防風林とカッチョがある。





元々はヒバ板ではなくヨシやススキを使ったのだろう。
琵琶湖の島でもヨシや板を風除けに使っているとも聞く。



屋根が壊れていても、直さずに住んでいる家を数軒見かけた。

それとも積雪量が多いときは、この窓から出入りしていたのだろうか。









この辺で景気づけに津軽「じょんから女節」を聴いてください。
歌い手は長山洋子さんです。