津軽野で出会った女たち(Portrait)

冬の津軽野を歩く

下北半島を振り出しに、津軽平野を縦横に歩いたのは半世紀ほど
前のことだった。そんなことを十代最後の年から数えて二年間余
り続けていた。放浪というほどのものでは無かった。二か月に一
度「ちょっと旅に出る」という感覚だっただろうか。
週末には夜行列車に乗り現地で一泊(ときには二泊)しては再び
夜行列車で東京へ戻り、週明けには上野駅から会社へ直行すると
いう強行軍だった。帰りの列車の中ではいつも胃の辺りがキリキ
リと痛んだ覚えがあるが、あれは十二指腸潰瘍のようなものだっ
たのかも知れない。

ピンボケかな?
歩いている姿は、太宰のマント姿のようだった

津軽の女は逞しい !?

津軽野を歩いていると天気の良い日に限らず、地吹雪の日でも
出歩く女たちと出会った。なにもこんな日に出歩かなくても、
と旅人の目には映るのだが、土地の女は天候など気にせず出か
けるのである。
ふだんは他人に声をかけることなど苦手なわたしだが、津軽野
では不思議とそれが出来た。旅人など珍しかった時代の津軽野
では、みなさん快く(?)写真を撮らせてくれた。
ある日、地吹雪の吹荒れる中を下駄を履き、杖をついて歩くお
ばあさんとすれ違ったことがある。わたしは その尋常ではない
姿に驚いたものだ。
それに比べ、男の出歩く姿はあまり見かけなかった。いつの時
代でも女は元気なのだ!
※男の姿を見かけなかった理由は、出稼ぎに出る者が多かった
せいかも知れない。

せっかくのショットが
立ち止まってほしかったけど 突風がぁ…
見渡すかぎり白く雪化粧した田んぼばかり
イソップ寓話「北風と太陽」を思い出す
ひどい泥濘の道だった!
津軽平野に そびえる岩木山(五能線の車内から撮影)

この辺で 津軽「じょんから女節」を聴いてください。