花の北山を歩く ー 由良川源流を遡行する

 

北山の特徴
「山高きが故に貴からず、樹有るを以て貴しと為す」
北山には雲を越えるような岩峰も無ければ、黒部川のように目のくらむ
ような深い谷や轟音を谷間にこだまする滝も無い。あるのはアシウスギ、
ミズナラ、カツラ、トチノキなどの樹木が林立する美しい森と豊かな植
物相である。ほかにはこれといって特徴もない、とても地味な山域では
あるけれど、一年を通じて飽きることのない峠道、尾根道、そして小さ
な谷間の静かな流れとその川沿いには茅葺屋根の集落がある。そこには
(かつては)日本のどこででも見られた山がある。

「この地域は中国山地東端の準平原をなし。1,000m以下の群山が連行
盤踞する低山山岳地帯である。その山々の襞から流れ出す水は大堰川、
由良川、安曇川の3水系を形成し、その流域の比較的広いところに点々
と村落を生み出している。行政区画状は京都府と滋賀県と福井県にまた
がり、主として京都府北桑田郡が中心となる、いわゆる北山の奥深いと
ころといわれる地域である。」…『京都北山2』(北山クラブ)より

由良川の最深部、いわゆる芦生の森の西には、近年茅葺集落で人気のあ
る「美山かやぶきの里」がある。

 

 

佐々里峠(分水嶺)

分水嶺
出町柳から京都バスに乗り、終点の広河原で降りる。目指す由良川へは
佐々里峠から入る。峠までは車道を歩いても一時間ほどで着く。休憩を
とり廃村灰野まで明るい尾根道を歩く。途中に分岐や大杉もあるけれど
まだまだ先は長いので寄り道せずに、所々眺望の良いところで眺めを楽
しむ。
写真に見える尾根道の左側に降った雨は日本海に流れ(由良川)、右側
に降った雨は大堰川に流れ込み太平洋にいたる。

 

 

 

由良川沿いの小道

廃村灰野を越えて由良川上流を目指すもよし、京都大学演習林事務所
辺りを散策するもよし。内杉谷、櫃倉谷とそれぞれ見どころは多い。

 

 

 

 

由良川

 

 

 

 

 

芦生の森

由良川支流の櫃倉谷から仰ぎ見る芦生の山

 

 

 

 

 

 

 

 

 

由良川支流

赤崎谷出合付近か。小さな谷だけれど新緑のころは素敵な谷である。
広河原まで戻るのであれば、そろそろ帰る時間(午後1時ころか)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上流にはアシウスギの巨木が群生すると聞く。

 

 

 

 

由良川の水はとても甘いのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

由良川本流

 

 

 

 

 

川沿いにはトチノキなどの巨木を見ることができる。

 

 

 

櫃倉谷

 

 

 

 

カエデの巨樹

京大演習林事務所から三十分も歩けば廃村灰野付近にたどり着く。
この辺りには人家の跡である石積などが残っている。その昔、大雪
に閉じ込められてから、数軒あった家の人は引っ越したようだ。

 

 

 

 

上流まで行くと流れの速いところもあり、深さもあるようだ。
七瀬谷出合の下流あたりだろうか、演習林入口から入山し日帰
りするならここで引き返す。ほとんど日の差さない所で、杣道
までの高さは十メートル以上はありそう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

由良川には違いないだろうが、撮影場所を思い出せない。
確か雨上がりで川の流れが速かったような。

 

 

 

櫃倉谷

 

 

 

 

 

春になると櫃倉谷林道の水溜りにはヒキガエル(?)の卵が沢山産みつけ
られていた。それは普段みることが出来ない光景である。

 

 

 

由良川上流

上流域には川沿いにトチノキなどの巨木が多く見られた。

 

 

 

 

この辺りから由良川源頭部にかけては、ゴム長靴を用意すれば川の中
を歩けるほどの水深である。

 

 

 

 

トチノキの原生林が山の斜面にあり、秋になれば黄葉が美しいところ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

苔むしたトチノキの老木に趣きがある。

 

 

 

 

 

 

 

 

内杉谷

林道の下を流れる小さな谷だが、日当たりの良い植生が豊かな
谷である。

 

 

 

トロ(瀞峡)

瀞峡と呼んでも良いところである。美しいところであった(由良川本流)。

 

 

 

トチノキの原生林

実際は昼なお暗い原生林である。

 

 

 

長治谷付近の川岸

この辺りの明るい雰囲気は わたしの好きなところである。

 

 

 

早春の川岸

長治谷付近。

 

 

 

新緑のころ

秋の紅葉も美しいところである。

 

 

 

 

長治谷付近から日本海の見える杉尾峠(ニホンカモシカが生息)
までは歩いて1時間ほどか。 峠までの道の上谷は暗いけれど趣の
ある谷(湿原もある)である。早春まで雪が残っており、黒々と
した雪を見ることができる。

由良川源頭へのアクセス
広河原からここまで川沿いに歩くと二日間かかる。たしか京大演
習林入口には広い駐車場があったはず、そこに自動車を置き林道
を歩けば杉尾峠までの日帰りは可能(しかし炎天下での林道歩き
はかなり辛い)。生杉集落から自動車で入る方法が一番イージー
だが駐車スペースに限りがある。ツアーも開催されているので、
結構費用はかかるが、それを利用するのが最も安全確実な方法で
ある。

以前積雪期に一人で広河原から入り、佐々里峠を越えて(ワカン
が必要)佐々里集落で一泊し、内杉谷まで入ったことがある(積
雪が多く本流沿いを歩くのは断念した)。帰りは何とかなるだろ
うと考えていたが、公営バスとヒッチハイクで和知駅に出ること
ができたのは夜の九時過ぎであった。その日の内に家に帰ること
は出来たが、無謀なことはしないほうが良さそうである。インタ
ーネットなど無い時代、山域の情報はほとんど入らなかったのだ。

撮影年:1980年代

※京都大学芦生演習林に入るには届出が必要です。

 

 

 

 

    花の北山を歩く ー 由良川源流を遡行する” に対して 2 件のコメントがあります

    1. ken より:

      それほど山奥ではありませんでしたが、以前は滝を撮りに山に行くことが時々ありました。
      誰も居ない山の中の川や滝の側にいるととても落ち着いた気分になれた事を思いましました。
      今はもう山に入ることはめったにないので、koji-kameさんの写真で楽しませて頂きます。

      1. koji-kame より:

        北山に入ったのは30年以上前のことなのです。いま見直してみると
        “ちょっとピンボケ”も結構あって冷汗ものです。「雪月花」などとこじつけたテーマを付けたので当分つづきます。
         koji-kame

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