宿場町・矢掛 本陣(石井家)を訪ねて

 

 

石井家は、江戸時代初めころから矢掛宿の本陣職を務め、元禄年間
ころからは酒造業を営んでいた。屋敷は旧山陽道に面し、矢掛宿で
は最も大きな町屋という。十三代将軍徳川家定の正室であった天璋
院篤姫も本陣を使用したことが、近年の研究の成果で判明している。

 

 

 

本陣(石井家・重要文化財)

中央の門が御成門である。江戸時代、身分の高い人はこの門より
入ったのだろう。

 

 

 

石井家入口

見学者は家業用出入口より入る。

 

 

 

主屋主人の間

主屋は店棟、居室棟、台所棟の三つに分かれている。

 

 

 

 

見学者は写真奥の店棟より入る。本陣玄関より撮影する。

 

 

 

御成門(店棟より望む)

 

 

 

御成門

本陣玄関より撮影する。

 

 

 

本陣上段の間から眺める庭園

 

 

 

上段の間(本陣・座敷棟内)

 

篤姫様もこの部屋でお休みになられたのだろう。石井家文書に、
篤姫一行(総勢259名)が矢掛本陣に宿泊(本陣に53名宿泊)し
た記録が残されている。
襖には、矢掛の特産品 “綿花” が描かれている。

 

 

 

八畳の上段の間は、武家屋敷の雰囲気の中に数寄屋風の意匠を取入れている。
床柱は天然の絞り丸太だろうか?

 

 

 

 

 

 

台所

主屋の南には台所がある。

 

 

 

什器なども見たかったのだが、展示されていなかったのが残念。
昔使用していた陶磁器や漆器の類を展示して頂きたいものだ。

 

 

 

 

酒造施設のある中庭より主屋の方向を望む。
写真正面突当りの建物を入ると台所がある。

 

 

 

 

 

主屋の台所を出ると、裏には酒造関係の建物が整然と軒を並べている。
一番奥(旧山陽道・小田川の堤防に面す)には、“裏門座敷長屋”と呼
ばれる見事な土蔵造りの長屋門がある。

 

 

 

米蔵だろうか?

 

 

 

 

大釜は酒米を甑(こしき)で蒸す際に用いたようだ。

 

 

 

もろみ絞り器

もろみを絞る道具が絞り場に置いてある。四角い箱(フネ)にもろみを
入れ圧を加えて酒を絞り出す。絞った酒は写真右下にある丸い甕に入る
のだろう。絞り終えればフネには酒粕が残る。

 

 

 

酒倉内部の柱と梁

年期を感じさせる。

 

 

 

酒倉内の神棚(松尾様?)

 

 

 

 

酒倉内の柱

見事な経年変化だ。虫食いの痕だろうか。

 

 

 

酒倉の階段

酒倉の一階と二階には酒造りの備品などが展示されている。

 

 

 

船箪笥(展示品)

どう見ても船箪笥だが、内部にはお金ではなく神仏のお札を収めて
いたようだ。船箪笥は北前船が運んできたものか。

 

 

 

 

 

 

 

 

中門

長屋門から主屋の方向を望む。

 

 

 

 

 

屋敷内には米蔵、酒倉、絞り場、麹室などの土蔵が整然と軒を
並べていた。写真右手には長屋門があるのだが、大きすぎて写
せない!

矢掛町には本陣、脇本陣以外にも「やかげ郷土美術館」「やか
げ町屋交流館」などがあり、小さな町だけれど見どころは多い。
矢掛の銘菓を一つだけ紹介するなら、篤姫様も食されたという
佐藤玉雲堂の柚べしをお薦めしたい。柚べしにも様々な形があ
るが、一押しは柚べしそのままの形を残した“丸柚べし”だ。
全国の柚べしを食べ歩いた私は、矢掛と輪島の丸柚べしだけは
自信をもってお薦めるする。