津軽の冬 四十八景 - 竜飛崎

 

竜飛集落

 

太宰の描いた竜飛崎
“ここは本州の極地である。この部落を過ぎて路はない。あとは海にころげ落ちるばかりだ。路が全く絶えているのである。ここは、本州の袋小路だ。
読者も銘記せよ。諸君が北に向って歩いている時、その路をどこまでも、さかのぼり、さかのぼり行けば、必ずこの外ヶ浜街道に到り、路がいよいよ狭くなり、さらにさかのぼれば、すぽりとこの鶏小舎に似た不思議な世界に落ち込み、そこに於いて諸君の路は尽きるのである。”
…『津軽』より

 

 

竜飛崎

 

竜飛崎の印象「飼いならされた風景」
三厩駅前から竜飛崎まで、バスで小一時間はかかったであろうか。
初めて訪れた竜飛崎は、わたしが思い描いたほど荒々しさは感じられ
なかった。青函トンネルの工事真っ盛りで、岬の山肌は削られて新し
い道路ができていた。あたりに樹林など見当たらなかった覚えがある。
岬の頂に登ってみれば北海道が見渡された。頂にはやたら人工物が目
につき侘しさが募るばかりであった。太宰の言葉を借りれば「飼いな
らされた」風景である。竜飛崎はまさにそんな印象の土地であった。
当時は冬に竜飛崎を訪れる観光客はさほど多くはなかったのだろう。
土産物店は一軒も無かったし、泊まる所といえば「太宰の泊まった旅
館」と看板の出ている旅館が一軒きりであった。

写真撮影をしながら徒歩で三厩駅まで戻ったのだが、現在手元にある
ネガを見ると思いのほか撮影枚数は少ない。その晩は三厩駅前の旅館
に泊まった。翌日は袰月まで歩いて行く予定を立てていた。

 

 

 

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