下北八景 – 恐山極楽浜

 

 

 

 

これはこの世のことならず、死出の山路のすそ野なる、

さいの河原の物語、十にも足らぬ幼な児が、さいの河原

に集まりて、峰の嵐の音すれば、父かと思ひよぢのぼり、

谷の流れをきくときは、母かと思ひはせ下り、

手足は血潮に染みながら、

川原の石をとり集め、これにて回向の塔をつむ、

一つつんでは父のため、二つつんでは母のため、

兄弟わが身と回向して、昼はひとりで遊べども、

日も入りあひのその頃に

地獄の鬼があらはれて、つみたる塔をおしくづす

 

……寺山修司『田園に死す』より

 

 

青森県下北半島にある恐山を訪ねたのは十代のとき。
おどろおどろしい その名に惹きつけられた。
古来より 死者の魂はこの山に集うといわれている。