京都御苑 拾翠亭(茶室) Shusui-tei Tea house

 
 
茶室 拾翠亭(しゅうすいてい)は広大な京都御苑の南西に位置している。
かつてこの地域には宮家、公家屋敷など200を超える邸宅が建ち並んでい
たという。想像するに、鳥の目をもって俯瞰してみればさぞかし壮観な景
色であったであろう。
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九條池から拾翠亭を望む。
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拾翠亭門構え

拾翠亭は今から200年ほど前の江戸後期に建てられ、当時の五摂家
の一つであった九條家の別邸として使用されたもので、主に茶会や
歌会などの社交の場として利用されたという。
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二階座敷

門を入り、玄関で受付を済ませ、真っ先に眺望の良い二階を
めざした。運が良いことに、先客は誰もおらず二階の座敷を
独り占めできたのである。
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外回りは北、東、南の三方に縁高欄がめぐらせてある。
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日がな一日眺望を楽しみたいものだ。
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九條池のほぼ中央には高倉橋が架かり、その向こうの東の彼方
には借景として東山の山並みが取り入れられている。惜しいこ
とに、今では高木に遮られて東山は見えない。
満月の夕べには、この席から池面に写る月を眺めながら歌を詠
んだのであろう。
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二間半四方の座敷の南西隅に障子窓がある。
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障子の貼り方は独特で、紙の継目は縦桟の間隔を二分の一ずつ
ずらした石垣貼り。すべてこの貼り方で統一しているという。
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座敷の南西隅に踏込床を構える。床柱は皮付丸太。天袋の下にある、
書院風の中敷居窓がおもしろい(窓の下には階段がある)。
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階段

二階座敷の景色を独占したあとは、階下に降りる(二階踊り場より
階下を望む)。
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一階控えの間

玄関を入るとすぐ右手にあり、主室である広間の南に続く七畳半の間。
茶室としても使われる広間に席入りする場合は控えの間となる。
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一階広間

拾翠亭一階は主として十畳の広間の茶室と七畳半の控えの間、さらに広間
の北側の三畳の小間からなり、広間と小間が隣接しているのは当時公家方
がこの二つの茶室を行き来しながらお茶を楽しまれたもので、貴族の茶事
の習わしを知る上で貴重な遺構であるという。
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広縁

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一階東側、九條池に向って開放的な広縁がある。

縁は座敷側の幅広の板を敷いた部分と庭側の榑縁(くれえん)の部分に分れている。
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天井は広板部分は鏡天井、榑縁部分は化粧屋根裏になっている。
用途としては広板部分の方が格が高いのだろうか。
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広縁より北の方角を望む。庭のいっかくに四阿(あずまや)が見える。
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九條池の眺め

二階からの眺めも良いが、一階広縁からの眺めは また違った趣がある。
長いこと庭を眺めながら談笑しているカップルや外国の観光客がいた。
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広間より北を望む。広間の西北(写真左側)に幅一間の床と炉があり、
現在でも茶室として使われている(申し込めば貸切できる)。
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床の間

床柱は皮つき丸太を用いている。
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控えの間

控えの間南側の障子窓。写真右側に受付、その西に玄関が続く。
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一階廊下

玄関より北を望む。突当り右手に小間、左手に水屋がある。
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小間

広間の北側にある小間と呼ばれる二畳の茶室。写真右端に百日紅の床柱が
見える。左側には手前座がある。
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手前座

手前座は畳一枚で客座との間には幅一尺五寸の板を入れて炉を切っている。
写真右側に客座がある。
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小間の入口より広間へ通じる廊下。
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小間に通じる扉

扉の右側に小間がある。写真の左端に広間の床が見える。
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小間

小間を東側より望む。右手方向に四阿がある。
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四阿(あずまや)

拾翠亭の北側、庭園のいっかくに風雅な造りの小さな四阿がある。
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四阿の裏手(東)には九條池が望める。
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四阿の南には小間の躙り口がある。四阿は待合としても利用されていたのだろうか。
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拾翠亭北面全景

四阿より拾翠亭を望む。写真右端の躙り口のある建物が”小間”と呼ぶ茶室
である。
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四阿

九條池の西北端に佇む四阿を拾翠亭より望む。
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庭園の南より拾翠亭と四阿を望む。
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園路

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厳島神社

九條池の西寄りに中島があり、厳島神社を祀っている。この神社は九條家の
鎮守社で、平清盛が母祇園女御のため安芸の厳島神社を勧請したのが起こり
といわれる。石造りの鳥居の形が唐破風様で珍しい。
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園路

竹垣の向うに門の瓦屋根が見える。
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門から玄関へ通じる石畳の道。
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拾翠亭築地

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積雪の拾翠亭

 
 
 
拾翠(しゅうすい)の名には、緑の草花を拾いあつめるという意味がある
という。やまと絵を想起させるような名である。
 
九條家は豊臣秀吉の政策によりこの地に移され、当時の敷地は一万坪を超
え、建物だけでも最盛時には三千八百坪もあったというから、ウサギ小屋
に住んでいるわたしには想像もできない規模である。
これらの建物のほとんどは明治の初めに取壊され拾翠亭だけが残された。

一般参観日    年末、年始を除く毎週木・金・土曜日
参観時間9:30~15:30(閉門)参観料100円(消費税込み)