大原三千院 数寄のかたち Sanzenin-Temple “Wabi-sabi”

 

三千院のある大原は、京都市内であっても気候は町なかとは違っている。
気温について言えば市中より二、三度は低いのではないだろうか。冬な
どは町なかは積雪がなくても、大原は十センチ以上積もっていることが
しばしばである。
大原には、嬉しいことにまだまだ田畑が残っており、のどかな田舎の雰
囲気を味わうことができるのだ。田畑や民家に囲まれた曲がりくねった
細い道を歩いていくと、路傍には石仏があったり、野の花が咲いていた
りして実に味わい深い。藪の中に遺跡が隠れていたりして、意外な発見
をすることもある。
そんな大原に、日常の煩わしい生活を忘れ、年に一、二度訪れるのは京
都市民の楽しみでもある。

 

 

往生極楽院

宸殿から眺める往生極楽院と有清園苔庭の美しさは まさに極楽のようだ。
大原の庭園の美しさでは ここに勝るものはない。

 

 

 

客殿

室内より聚碧園を望む。日本家屋の陰翳の美しさが際立つ。

 

 

 

宸殿越しに望む極楽往生院

宸殿の回廊と建具、それに庭と往生極楽院の対比に得もいわれぬ魅力がある。

 

 

 

 

 

伝教大師最澄の書かれたものに、

 

浄土を願う者の住居は三間より過ぎてはいけない。

そのうち一間は持仏堂、一間は住居、一間は世俗的な雑事をする所である。

 

と記されている。

・・・『一言芳談』より

 

 

 

 

 

 

 

宸殿の軒

さほど古い建物ではないが趣のある造りである。

 

 

 

組物

 

 

 

 

木鼻

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蟇股

 

 

 

 

 

 

 

 

 

回廊の支柱

 

 

 

 

往生極楽院(重要文化財)

 

三千院の源ともいえる簡素な御堂である。堂内には、阿弥陀三尊像が安置
されており、舟底天井と壁面には極楽浄土を表したかつての極彩色がしの
ばれる。千年の昔より、弥陀の浄土に往生安楽を願い、ひたすら念仏をと
なえ三昧にひたる常行三昧がおこなわれてきた御堂である。

 

 

 

手水鉢

 

 

 

 

弁天池ごしに見る宸殿

 

 

 

 

弁天池

 

京都 大原三千院

恋に疲れた女がひとり

結城に塩瀬の素描の帯が

池の水面にゆれていた

 

 

 

聚碧園

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大原の土地は、わたしの生まれ育った南東北の気候ともよく似ている。
そんなこともあり好んで訪れている。気分がのれば宝ヶ池から二時間
ちょっとかけて歩き、名物のしば漬を買って帰ることもある。ここで
買う茄子のしば漬けは、町なかで手に入るものとは少し違うのだ。乳
酸菌たっぷりでとても酸っぱいのだけれど美味しい。同じく上賀茂の
スグキ漬けも酸っぱいけれどお酒に合い美味しい。ちょうどワインと
チーズの関係(?)と同じで、お酒とスグキ・しば漬けの相性はとて
も良いのだ。クサヤと鮒ずしに抵抗がなければ大丈夫です。一度お試
しあれ。

 

※撮影年:1980年代