秋深まる津軽野

 

秋深まる

豊かな沃野・津軽野のかなたに岩木山がそびえ、流れる雲と冷涼な風がもうすぐ
訪れる冬を予感させる。

 

 

 

夕暮れ

 

ミレーの『晩鐘』、あるいは『羊飼いの少女』を彷彿させる(?)かのような
夕景である。
ここはバルビゾンの馬鈴薯畑ではなく、教会から聞こえるアンジェラスの鐘の
音もない。あるのは夕方の津軽平野に響き渡る寺院の梵鐘の「声」と虫の鳴き
声。田んぼに置かれている脱穀前後の稲藁である。浮かび上がるシルエットか
らは、祈っている姿には見えないし、農作業の手を休める農民は、それぞれあ
らぬ方向を見ている。けして演出したわけではない数十枚のカットの中の一枚。
なつかしい昭和の情景である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

稲を乾燥させる稲木が、今となっては時代を感じさせる。リヤカーを押す男の
姿が稲木のあいだに垣間見える。