大台ケ原山 伝説の谷 大杉峡谷5

 

大杉谷と冠 松次郎
以前の記事に、冠 松次郎氏が大杉谷を絶賛していた、と書いた。その本を探していたところ、国会図書館にデジタルデータとして残されており、誰でもが閲覧できるようになっていた(氏の著作は、若いころに黒部峡谷のことを書いた著作を幾度も読み返し、薫陶を受けていた)。
その本(『大台ケ原山と大杉谷』)の一部を紹介したい。

「堂倉山の家から半日余り大杉谷を下って、森林や、瀧や、釜などの美しさに深く魅せられたが、それにもまして私をひきつけたものは、この渓谷を埋めてゐる岩石の美観である。
水成岩の美。秩父古生層や、硅岩、硬砂岩、などが様々な面白い層理を刻み、青い流れの中を無造作に置かれた、その形、その光沢、さてはその配置までが、云いやうもない優れた自然の構想を思はせる。豪壮で荒削りで、しかも繊細巧緻を極めた、こんな優れた大きな美術品が何處にあらう。
花崗岩の渓谷の冷やかな美しさに親しんでゐた私は、この谷を見てから、水成岩の美しさに、より深い親しさと暖か味を感じた。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※続きます